132 天才少年
将棋、ピアノ、ゴルフ、卓球、体操・・・若い人たちの活躍が目立っていますね。
彼らは幼少からその能力を発揮し、天才少年、少女と呼ばれることもあります。
周りの人たちは「持って生まれたもの」と言い、自分には到達しない世界と驚嘆します。
「それは違うぞ、それはできないあなたの自己弁護だ」と言う説があります。
チャレンジしそれが簡単にできないと「自分には才能がない」と結論付け、追求しなくなる。
「才能がない」というのは自他共に納得させるための言い訳である、と。
新しいことを習熟するためには集中した10,000時間のトレーニングが必要と言われます。
一日5時間のトレーニングでも5年半必要になります。
そこでやっと人並みを超えたレベルでしょうか。
活躍している若者たちは人知れず努力を重ねながら薄皮を剥ぐように成長していくようです。
有名な音楽家を輩出するベルリン音楽学校で興味深い研究が行われました。
なぜ特定のバイオリニストたちが他より素晴らしく成長していくのか。
研究は学生たちを3つのグループ、「国際的に活躍しそうな最高のバイオリニスト」、「大変上手なバイオリニスト」、「一般的なバイオリニスト」に分け行われました。
それぞれ音楽活動時間、練習時間、活動の自己評価表、楽しさの度合いなどの膨大なデータが集められ分析されました。
学生たちは皆ほぼ8歳でバイオリンを始め15歳で音楽家になることを決意しています。
驚かされたのは日々の音楽活動に関する時間(個人レッスン、グループレッスン、独習、音楽の授業など)を総合するとそれぞれのグループに差がなく週51時間とほぼ同じことでした。
実力の差はどこでついていくのでしょうか?
大きな差となって表れたのは「一人での練習時間・・・独習」にありました。
もっともつらく単調で地道で面白みに欠ける独習を黙々と続けている。
それを多くは体力気力のもっともある朝か午後の早い時間に行っているようです。
「一般的グループ」は独習時間が少なく疲れていると感じる遅い午後に集中していたようです。
安易に「天才」と呼ぶのは失礼で、子供達の将来を考えると慎重な言葉選びが望まれます。
国際的なプロフェッショナルでなくとも地道な努力は大切ですね。
単調な行動が楽しみに変わると、それが脳の活性化となり老化防止につながっていきます。