104 プロポーズ
「お前と苦労がしてみたい。」
「あなたとなら、どんな苦労もいとわない。」
昔のドラマでよく聞いたようなプロポーズのこのセリフ。
若い二人のこれからの生活は厳しく決して平坦ではないことは誰もがみんな知っている。
だからそれを乗り越えていくパートナーはお前しかいない。
あなたしかいない。
お互いに試練を超える仲間と決めた強い意思と深い絆を感じます。
最近はまったく違います。
「幸せになろうね」
「君をきっと幸せにするよ」
日々の過程よりも結果にスポットを当てています。
苦労と幸せ、この2つの真逆のプロポーズ、
どちらが良いのかはわかりませんが世相を反映していますよね。
「成田離婚」という言葉がかつて流行りました。
新婚旅行中に相手の新たな性格を発見し、生涯の伴侶にできないことを成田空港で決意する。
最近は「IKEA離婚」という不思議な現象があります。
二人でIKEAへ行って夢いっぱいで選んだ家具。・・・そう、IKEAの家具は組み立て式です。
新居に届いた家具を組み立てようとするが組み立て方がわからず作れない。
あの素敵な家具が形にならない。
「こんなのも作れない人だったの・・・・・。バイバイ」とあえなく終了で、IKEA離婚。
あまりにも簡単に離婚してしまうのは、結婚そのものが単なる通過点と考えているからか。
思い描いていた夢とのギャップからか。
幼いときから自ら越えさせていくべきハードル環境がなかったからなのか。
かつて坂本竜馬は、「人は苦しいときはそれを乗り越えようと一致団結する。」
「しかし豊かになると今度は利益を奪い合う。」と言いました。
人が成長するためにはある程度の負荷や逆境が必要です。
自分の力よりもちょっとだけ上の負荷、ちょっとの辛抱、この調整は自分にしかできません。
我慢・・・これが健康とよき人生への王道かもしれませんね。